新しく電源を取れるようにするためには既存の配線を分岐させるのが基本的な方法です。
新しくコンセントを作りたいといったときによく行われる作業の一つですが、どのようにして行われているものなのでしょうか。
原理を知っていると比較的簡単なものですが、気軽に行ってしまって良いものなのかについても確認しておきましょう。
目次
1.配線を分岐させる方法とは
配線に関わる工事は電気工事の中でも典型的なもので、オフィスだけでなく家庭でもしばしば業者に依頼して実施してもらっているものです。最もよくあるパターンがコンセントの増設やスイッチの追加です。
電化製品を使いたいところの近くにコンセントがないと延長コードで延ばしてこなければならず、足元が危険になるリスクもあります。天井を這わせるなどの方法もありますが大きな手間がかかることは否めません。
長期的に快適に使いたいと考えたら、必要なコンセントを設置してもらうのが合理的でしょう。このような工事は天井に張り巡らされている配線に分岐を作って線を下ろし、コンセントに取り付けるだけの簡単な工事で行えます。重要なのは分岐をどのようにして作っているかです。
コンセントの場合に限らず、電気工事で分岐が必要になることはよくあります。その際に用いられる分岐の方法も多岐にわたっていて、必要に応じた使い分けが行われています。
代表的なものだけでもエレクトロタップ、スプライス端子、圧着接続端子、Y型接続端子といったものがあり、もっと多岐に分岐を作りやすいカンタン接続分岐コネクターやプラス・マイナス分岐ターミナルなどもよく利用されているものです。
目的に応じた使い分けが必要になりますが、部品開発が進んできたお陰でどのような目的でも使いやすいものを見つけやすくなっています。取り付けも比較的簡単なので、工事にかかる時間も短くなり、気軽に電気工事を実施できるのが現状です。
以前はよく用いられていたのがハンダ付けによる分岐の作成ですが、現在でもしばしば用いられています。ハンダ付けは分岐する部分が最も小さくできるのがメリットで、細かい分岐をたくさん作るときや、スペース的に他の部品をあまり入れるのが合理的ではないときに選ばれているのがハンダ付けの特徴です。
また、機能性の高いコネクターも開発されています。例えば防水ワンタッチコネクターと呼ばれる防水性のあるものを使えば湿気が問題になる場所や、雨漏りのリスクがある場所、水回り周辺などの配線で分岐を作るときにも安心です。
エレクトロタップにも防水性のある製品が開発されてきているため、あまり細かな技術を持っていない人でも簡単に防水性の高い分岐を作ることができます。このような製品開発のお陰で手軽に目的に応じた分岐を作れるようになっているのです。
2.資格が必要なので要注意
それほど簡単に電気工事ができるようになっているのなら自分でやりたいという人もいます。DIYで行えば業者に依頼したときにかかる技術料や出張費用などを削減できるのは確かです。
配線工事をする上で最も難しい工程の一つである分岐を簡便に作れるコネクターがあるのなら安心でしょう。
コンセントの増設を考えているときにも、コンセント側は単純な作りになっているので素人でも見てみると簡単に取り付けられるはずです。しかし、配線工事をするには資格が必要なのでむやみに行ってはなりません。
電気工事士の資格を取得した上で行うのであれば問題はありませんが、無資格で行うと処分の対象になってしまいます。これは安全性を重視しなければならない工事だからというのが主な理由です。
少し間違えると発火のリスクがあるのが配線工事で、分岐を作るときには線に直接触れなければならないので感電リスクも高くなっています。安全に工事を行えるための十分な知識があることが求められるのです。
資格が必要というのは業者に依頼するときにも注意しておくべき点です。しばしば電気工事士の資格を持たない大工や販売業者のスタッフが電気配線に手を加えている事例が発見されています。
中にはショートを起こしているようなケースもあるので、業者に依頼するときには確かな知識を持っている電気工事士が工事をしてくれるかどうかを必ず確認しましょう。安ければ良いと考えてしまわずに、安全性を重視して依頼することが特に分岐を伴う電気工事では肝心です。
3.まとめ
配線の分岐に使える様々なコネクターが開発されてきた影響で簡単に短時間で工事を行えるようになっています。
コンセントを増やすときなどには自分でもできそうだと考えてしまいがちですが、電気工事士の資格がないと行えない作業なので注意しましょう。業者に依頼するときにも有資格者が作業することを確認した上で依頼するのが安全策です。