洗面所ではドライヤーやヘアアイロンなど、リビングではテレビや固定電話、パソコンなど、現代社会では沢山の家電が使われています。
プラグの数に対して、コンセントの数が少ないと感じる人は多いのではないでしょうか。
タコ足配線は火災の危険性が指摘されているので、常にコンセントが足りないようなら、電気工事をお願いするのも選択肢の一つです。
今回は電気工事の依頼先や、コンセント増設の工事方法について解説します。
目次
1.そもそも電気工事って?
配線に手を加えるコンセント増設などの電気工事は、一般人はしてはいけないことになっています。感電などの危険性があるだけでなく、電気容量の計算がされていないことで許容電流超過し、断線することもしばしばあるからです。半断線による火災事故は少なくないので、必ず電気工事士の有資格者に工事を依頼しましょう。
電気工事士の資格には第1種と第2種があり、前者は最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物か一般用電気工作物の電気工事が可能です。そして、後者は一般用電気工作物の電気工事が許されています。
なお、住宅や店舗などで使用されている小規模な電気設備、主に低圧受電設備が一般用電気工作物で、ビルや工場などで使用されている大規模な電気設備、高圧受電設備が自家用電気工作物です。
したがって、コンセントの増設は、第1種電気工事士の有資格者に頼めば良いことになります。電気工事は、個人経営している電気店や家電量販店、ホームセンターなどが依頼可能です。家電量販店、ホームセンターなどは、家電を購入した際の取り付け工事以外では工事費が高くなる場合もあります。個人経営の電気店と費用を比較してみるといいかもしれません。
電気工事を行うときは、配線図面があると効率的かつ適切な工事ができます。特に建物全体の電力容量を計算しなければいけないような大掛かりな工事の際は、配線の位置などが不明だと調査から始めなければいけないため、時間も費用もかかってしまいます。
2.コンセントの増設方法
コンセントを増設するには、壁の裏側に手を入れた作業が必要になることもありますが、全てではありません。
現在コンセントがある位置の裏側にコンセントを増やす場合は、既に来ている配線を分岐して電力を分けてもらう形で対応できるため、壁をコンセントカバーの大きさにカットするだけで済みます。
この程度の作業であれば、1万円程度の支払いで済むことが多いです。また、完全に裏側でなくても、距離が数十センチの場所であれば、さほど難なく工事ができます。
ただ、現在のコンセントから90センチ以上距離のある場所に増設したい場合は、少々大掛かりな工事が必要です。それは在来工法で建てられた住宅は90センチ間隔で柱が立っているので、柱を避けて作業するとなると、少し神経を使うからです。
既存コンセントから遠い場合の工事は、天井を通る配線をコンセントを設置する場所に下ろしてくる形になります。ですから、まずコンセント設置希望位置に近いところの天井を、手を入れて作業できるくらいの大きさにカットします。そして天井の中にある配線を分岐したら、壁を30センチくらいの間隔でカットしながら配線を下ろし、コンセントを設置して完了です。
コンセント設置後は、穴を開けた天井や壁を補修する内装工事を行います。クロスを全面張替えるとなると費用が嵩むので、補修部分だけアクセントクロスを張るというのも一つの方法です。内装工事の業者は電気店が紹介してくれるのが一般的ですが、自分の知り合いに頼んでもいいでしょう。
暖房器具などの電力の大きい家電等を使う予定でのコンセント増設の場合は、配線分岐では容量オーバーになってしまいます。ブレーカーが落ちたり断線したりといったトラブルが起こり、火災につながる可能性もあるので注意が必要です。この場合は、分電盤から専用線を引く方法が妥当です。
それから、既存の2口コンセントを、4口や6口、8口などに増やすのも可能です。しかし、コンセント口を増やした分だけプラグを差すと電力オーバーになるようであれば、分電盤から専用線を引く工事が必要です。
専用線を引く工事となると、少し費用が高くなります。できるだけ費用を抑えたいという場合は、壁の中に配線を隠さない露出配線という方法で行ってもらうといいでしょう。配線もコンセント差込口が壁に出た状態となりますが、壁をカットせずに済むため、内装工事不要で費用が抑えられます。
3.まとめ
コンセント増設は、電気工事士の資格を持った人でなければいけません。自分で行うことは避けてください。そして、工事を頼む前に使いたい家電の電力を調べておくことが大切です。
工事費用をできるだけ抑えたい場合は、既存コンセントに近い場所を設定するなどの工夫が有効でしょう。また、内装リフォームの際についでに行うことでコスト削減できます。